導入事例  
築地音幸 ※みなと新聞 2020年1月20日掲載

2004年から「Mr. 魚問屋」を活用し、詳細な情報を会社全体でリアルタイムに共有。2012年、豊洲新市場への移転計画を見据えてタブレットを導入。「Mr. 魚問屋」との相乗効果で、業務の効率化がさらにアップ。

水産仲卸業専用システム「Mr. 魚問屋」や「タブレット」が、築地の水産仲卸・築地音幸に導入され、業務の効率化に大きく貢献しています。このソフトの導入にいたった経緯や、導入の効果などについて、常務取締役の見市哲也氏にお聞きしました。

ルーツは江戸時代までさかのぼる老舗の仲卸。
従業員は18名・年商約20億円。2013年から輸出業務にも進出。


東京・築地市場に店舗を構える「築地音幸」。法人化は1961年ですが、そのルーツは江戸時代にまでさかのぼる老舗の仲卸です。代表者以下、現在の従業員数は18名で年商は約20億円。従業員の平均年齢は30歳半ばと若く、現在、鮮魚を主体に得意先のニーズに幅広く対応しています。
2013年、見市常務は「このまま少子高齢化が進めば国内需要は頭打ちにならざるを得ない」と、海外への輸出事業にも進出。仲卸が輸出を手がけるのは珍しい事例ですが、さらに同社は、商社などを介さない直取引の形態で輸出を行っています。

「Mr. 魚問屋」の導入前は仕入れから販売まで "ブラックボックス"
導入後は詳細な情報を会社全体でリアルタイムに共有。


築地音幸が「Mr. 魚問屋」を導入したのは2004年。それまでは仕入れから販売まで営業担当者の裁量にゆだねられている部分が多く、「その中身はブラックボックスの状態だった」と常務は振り返ります。「担当者も帳面をもって一連の業務を行うため、在庫や損益状況をきちんと把握できていないこともあった」と。
しかし、導入後は、「昨日の時点で在庫はいくつあって、今日はどこからどれだけ仕入れて、どこにいくつ販売して、その結果、どれだけ利益が出たか、品目ごとにすべて出る」ため、営業担当者はもちろん、詳細な情報を会社全体でリアルタイムに共有できるようになりました。
常務は「これまでは担当者しか知り得なかったことが透明化され、社員全員が分かるようになった。担当者の個別の成績もわかるので、そのデータをもとに理路整然と指導できるようになったことが一番大きい」と導入のメリットを強調します。

「タブレット」の導入前は売りも仕入れも手書き。
導入後は、PCとの連動で荷分け表や伝票の発行も簡単に。


2012年には現場(店舗)にタブレットを導入。5人の営業担当者全員がタブレットを持ち、「魚問屋」を活用するようになりました。現在、事務所のPC5台、帳場のPC1台と合わせると、合計11台のPC・タブレットでこのシステムを利用していることになります。
タブレットの導入前は、営業担当者は帳面に売りも仕入れも手書きして、そののち帳場または事務所に戻って打ち込み作業をしていましたが、導入後こうした煩雑な作業は不要となり、一段と業務の効率化が図られることになりました。
加えて、タブレットと帳場PCの連動によって帳場での荷分け表と伝票発行も可能となり、相乗効果が発揮されています。
築地の仲卸現場で、基幹システムと連動させてタブレットを活用しているのは築地音幸だけであり、「取引先に対するパフォーマンス効果も大きく、ひいては従業員のモチベーションの向上にもつながっている」と常務は語ります。

「タブレットの利点は無限大」と見市常務。
たとえば出張先で業務を行うことも可能。


実は、築地音幸では2011年から現場へのタブレット導入を検討していたものの、タブレット本体が高価なこともあり、なかなか導入に踏み切れませんでした。
しかし、「豊洲新市場」(2016年11月開場)への移転が決まり、「移転してからの導入では遅い。いまから慣れてもらう必要がある」と、常務はタブレット導入を決断した理由を説明します。
さらに常務は、タブレットの利点は無限大とも語ります。「値段や数量の確認など、これまでは何かあると出社する必要があったが、会社のパソコンと同じシステムをタブレットで見ることができる。タブレットで販売管理の全業務ができるため、出張先で業務を行うことも可能ですね」と締めくくられました。
※みなと新聞 2015年1月9日掲載