導入事例              
高梨水産 ※みなと新聞 2015年7月15日掲載

2005年に「Mr. 魚問屋」を導入して以来、大幅な業務改善を継続。
2013年には「TOSデータセンター」とオンライン化を果たし、
現在、新市場への移転を視野に入れ、タブレットの導入を検討。


近年、水産仲卸においてもITシステムの導入が進んでいますが、小規模の企業となると費用対効果などを考慮し、導入をためらうケースもあるようです。しかし、いまやITを活用した経営管理は、企業規模を問わず不可欠な時代となりました。
東京・築地のエビ専門仲卸である高梨水産は、代表の高橋直也社長をふくめ従業員4人という規模ながら2005年に「Mr. 魚問屋」を導入し、ドラスティックと言える業務改善を実現しています。高梨社長にお話をうかがいました。

手作業による計算間違いに悩んでいた2005年、
「Mr. 魚問屋」に出会い、導入を決定。


高梨水産は築地市場内に40数社あるエビ専門の仲卸会社のひとつ。もともと同市場内にあった会社の経営を1994年に先代が独立して引き継ぎ、有限会社として法人化。2013年8月に現社長の高梨直也氏が代表に就任しました。
現在、従業員は、高梨社長、帳場担当の奥様、営業担当2人の計4人。年商は約3億円で、仕入れの大半は大卸から。生エビを中心に取扱品は幅広く、特にアマエビ、ボタンエビの品ぞろえは豊富です。得意先は200社に上り、寿司店やレストランをはじめとする外食産業や、同業の仲卸と多岐にわたっています。
同社が「Mr. 魚問屋」を導入したのは2005年。築地市場内の同業者に集金に行った折、帳場でパソコンを操作している女性を目にしたのがきっかけでした。そのパソコンが「Mr. 魚問屋」だったわけです。「その頃は手作業で計算をやっていたので、とにかく間違いが多かった」と高梨社長。売り上げの間違いは、利益の間違い、ひいては損失にもつながります。「在庫も全然合わなくて、何とかならないかと思っていたところ、Mr. 魚問屋に巡り合ったわけです」と当時を振り返ります。

月末の請求処理がわずか1時間足らず。
固定費を中心に大幅なコスト削減も実現。


高梨水産では、店舗で売買が成立すると、営業担当者が口頭で帳場に伝え、それを奥様が伝票に明細を記入し、最後にまとめてパソコンに打ち込むというスタイルを採っています。15日と月末に集中する請求書の発行は、事務所を兼ねる社長の自宅で行っています。「Mr. 魚問屋」導入のメリットは、売り上げ・在庫などもろもろの数字が合うようになったことですが、その最大のものは月末の請求処理が大幅に改善したこと。これまで店舗の近くに借りていた事務所で従業員総がかりで行っても夕方までかかっていた請求書業務が、いまでは1時間足らずで終わるようになりました。
また、高梨社長は、その正確さも高く評価。手書きした伝票とパソコンで打ち込んだ数字にずれがあっても、瞬時に両方を確認できるためです。「お客さまに前回いくらで売ったか、すぐ分かるのもいい。聞かれてすぐに答えられるのはすごくいいこと」と語ります。
「Mr. 魚問屋」の導入に当たっては、「きちんと使いこなせるか、多少の不安があった」と高梨社長。しかし、使ううちに全幅の信頼を寄せられるようになり、いまでは、「小規模の仲卸会社にとっても販売管理システムは必要不可欠」とまで断言。「Mr. 魚問屋を導入した結果、事務所を借りる必要もなくなり、固定費を中心に大幅なコスト削減を図ることができたのは嬉しい」と付け加えました。

2013年には「TOSデータセンター」とオンライン化。
万一の時もリモートメンテナンス体制で安心。


同社では、2013年にインターネットVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)網によって、弊社が運用する「TOSデータセンター」と事務所・帳場を接続。これにより、事務所を兼ねる自宅と帳場でデータをリアルタイムで共有できるようになりました。通常のインターネット環境があれば特別な回線契約などは不要。同センターにはサーバ環境が構築されているため、事務所にサーバを置く必要もありません。
「Mr. 魚問屋」を導入して以降「これといったトラブルは一切ない」と高梨社長。万一、不測の事態が起きても、土曜日や年始にも対応する市場専門のリモートメンテナンス体制により、「困ったらすぐに面倒を見てくれる。だから安心して利用できる」と信頼のほどを語ります。

現在、タブレットとの連動を検討。
東京オリンピック開催を視野に入れ、内需拡大を期す。


今後の課題については帳場での伝票発行とともに、持ち運び自由なタブレットの活用も挙げられています。"うちは、わがままなお客さんが多いから"と冗談を交えながら、時間・場所を問わない得意先からの問い合わせに対して、基幹システムとタブレットが連動していれば、いつ・どこでもデータを見ることができるからと検討の理由を説明されます。
2016年11月に豊洲新市場への移転を控えるなか、経営難から廃業を決めている仲卸もあります。50店舗以上あったエビ専門仲卸も年々減少しているのも事実。高梨社長も、他の仲卸と同様、自社の経営状況が決して順風満帆ではないことを認めています。しかし一方で、「ピンチはチャンス」と語ります。「2020年の東京オリンピック開催を視野に入れると、長期的な需要拡大が期待できる」と、若き経営者は移転を機に一層の飛躍を図っています。