導入事例              
築地市場・佃伊之 ※みなと新聞 2018年1月16日掲載

元気印の仲卸訪問(1)
~ITで業務改革~

働き方改革が叫ばれるご時世、中小事業者が多い仲卸も労務管理の強化、残業の削減が求められている。一方で突発的な注文が入る、繁忙期が年末に集中するなど、柔軟な対応もしなければならない。
東新システムの「いちばクラウド魚問屋」は卸売市場に特化した業務システム。クラウド型のため、事務所と帳場の機器をつなぐ、自宅からもシステムにアクセスできるなど、仲卸の働き方にマッチしたシステムをオーダーメードでつくり上げる。
築地仲卸・佃伊之(東京・築地、飯田浩社長)の4代目である飯田秀樹専務に、東新システムのサービスについて聞いた。


事務作業の効率化に寄与。
クラウド型でどこでも業務可能。


佃伊之は、築地に市場が移転する前の日本橋魚市場時代に創業した老舗仲卸。1965年に株式会社化した。鮮魚、活魚、特種物を中心に扱い、都内や近郊のホテル、料理屋、居酒屋、結婚式場などへ主に自社便で届ける。

労務改善は待ったなし。

同社は15年ほど前から東新システムを利用。現在は事務所のデスクトップパソコン1台、帳場のノートパソコン1台に加え、飯田専務自宅のノートパソコン1台で「いちばクラウド魚問屋」を運用する

飯田専務は「労務環境の改善は仲卸の課題」と強調する。築地市場で特種物を扱う仲卸でつくる特種物業会は昨夏、経営者向けに社会保険制度のセミナーを開いた。中小事業者が多く、一般企業よりも取り組みが遅れていると言われてきた市場内でも、働き方改善の機運が高まっている。

「帳場は狭いけれど立派なオフィス」と飯田専務。事務作業の負荷を軽減するため、場外の事務所に寄らずに帳場でできる仕事は終わらせようと、売り上げを入力するノートパソコンや売上伝票を印刷する小型プリンター、コピーやファクスなどの複合機を帳場に設置。すべての機器はシステムにつながっており、帳場で入力した売り上げが事務所のパソコンに即時反映されるため、他の社員が作業を引き継ぐこともできて効率的だ。

「USBキー」が業務に不可欠。

数ある東新システムのサービスの中でも、飯田専務が「なくてはならない存在」と重宝するのが「USBキー」だ。キーにはアプリケーションが入っており、あらかじめシステムに登録した自宅などのパソコンに差し込むと、事務所や帳場のパソコンと連動した画面が現れ、売り上げなどの入力やデータの照会、帳票出力などの管理業務ができる。クラウド型ならではの利便性だ。

飯田専務は午前に現場での販売を終えると、いったん自宅に戻って着替えてから顧客との打ち合わせや営業に出かけることがある。「わざわざ事務所に寄らずに自宅でデータを確認できる」ので効率的だという。また休日に顧客から緊急の注文や伝票ミスの指摘などの連絡が入っも、自宅で対応できる。

東新システムは、インターネットでつながったデータセンターで管理するクラウド型システム「いちばクラウド魚問屋」のリリ-ス(2013年)と同時に、USBキーのサービスをスタート。自宅や出張先で管理責任者や営業担当者が利用している。現在はiPadなどのタブレット端末でも同様のサービスを展開している。

市場密着のシステム構築。

飯田専務は「卸売市場ならではの細かい要望にもしっかり対応してくれる」と東新システムに信頼を寄せる。例えば佃伊之の顧客には、専用伝票を使ってほしいという先が何件かある。東新システムはシステム導入に当たって、「さまざまな様式の伝票に対応するプリンターを見つけるところからやってくれた」(飯田専務)。日々の業務に追われる仲卸にとってはありがたいサービスだ。

高品質に軸足。HPを改変。

佃伊之は昨夏、ホームページ(HP)を大幅にリニューアルした。「これも間接的にはシステム導入の効果」と飯田専務。毎日システムに触れることで、インターネットを使った販促に興味を持つようになり、商売のチャンスを増やしたい、と取り組んだ。

今後は、「より高品質な水産物を中心に扱う」(同)方針だ。"高品質"のイメージづくりのため、HPには魚体の艶がしっかりと分かる鮮魚の写真を大きく使い、高級感を演出。料亭やフレンチビストロの顧客の声を紹介している。昨年9月下旬にはスマートフォン用サイトもオープンさせるなど、システム導入に触発され、着実に新たな一歩を踏み出している。